シャドバのプロ隼人が「オポ」について解説【TCG大会ルール】

「オポ」について解説【TCG大会ルール】

みなさんどうもこんにちは。名古屋OJA ベビースターの隼人です。

「オポが低くて予選落ちした。」

こんな言葉を聞いたことがあるでしょうか。TCGの大会に出ているとよく耳にします。

これまでShadowverseの公式の大会シーンでは幸か不幸かほとんど「オポ」を気にすることがなかったのですが、2023年8月12日に行われたRAGE Shadowverse 2023 Autumn予選大会Day2では「オポ」に泣いた選手も居たようです。

この記事では、そもそも「オポ」とはどういうものかを解説することを試みます。

この記事を書いた人

<最効率のハンター>隼人

名古屋OJA ベビースター 隼人

名古屋OJAのカードゲーム部門「名古屋OJA ベビースター」リーダー。

プロのゲームは、Shadowverse(シャドウバース)。

29歳にして、カードゲーム歴21年のベテランプレイヤー。

愛知県安城市 ケンサチeフェス実行委員長

目次

「オポ」とは?

近未来の見出し画像

前述の通りTCGの大会に参加していると頻繁に使う用語なので、「オポ」と省略して言ってしまうことが多いですが、RAGE Shadowverse 2023 Autumnの開催概要に記載されている正式名称は「オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ(OMW)」です。

英語ではOpponent Match Win Percentageと書きます。

省略した表記にはOpp%、OppMW%などのバリエーションもあります。

RAGE Shadowverse 2023 Autumnの開催概要には「対戦してきた相手のBO3勝率によって変動する数値」との説明があります。

どのように変動するのでしょうか。大会規約を見てみましょう。

隼人

7.1(7)にこのように記載されています。

Day2で勝利した試合の数が同じ参加者間の順位は、Day2に対戦した相手の平均試合勝率が高い参加者を上位とします。対戦相手の平均試合勝率も同じ場合…(以下略)

RAGE Shadowverse 2023 Autumn 大会規約より引用

「オポ」とは「対戦相手の平均試合勝率」のことのようです。

「オポ」を計算してみよう

これがどういうものなのか理解していただくためには実際に計算してみるのが一番だと思うので、具体例を挙げて実際に計算してみます。

例として、このような表を考えてみます。

オポについて
(タップで拡大)

この時、「対戦相手の平均試合勝率」を計算したいので、まず対戦相手の試合勝率を計算します。

オポについて
(タップで拡大)

これを平均したいので、全部足して人数で割ってみましょう。0.5167となります。

この計算方法は、RAGEのWEBサイトに記載されている内容を読み取って私が勝手に想像したものです。

実際には違った方法で計算されているかもしれません。

というのも、この計算方法とは少し違った方法で「オポ」を計算している事例が存在するからです。

私はShadowverse EVOLVEの公認ジャッジでもあるので、ブシロードTCG 応用フロアルールを覚えるほどではないにしても、一通り読んでいます。

ブシロードTCG応用フロアルールver.1.2.2には附則B第1章第1節に以下の記載があります。

相手のマッチ勝率の平均(Opp%)による比較

大会終了時点で、該当するファイター(自分ファイター)が対戦したファイター(相手ファイター)それぞれについて、以下の計算式により「マッチ勝率」を計算します。 「マッチ勝率」=「獲得点数」÷「自分ファイターが対戦した回戦数(不戦勝や不戦敗を含む)×1対戦で獲得できる最大点数」 この計算結果は小数第4位を四捨五入します。また、この数値が0.330未満の場合は0.330として扱います。 その後、以下の計算式により「相手のマッチ勝率の平均(Opp%)」を計算します。 「相手のマッチ勝率の平均(Opp%)」=「相手ファイターのマッチ勝率の合計」÷「相手ファイターの人数」 この計算結果は小数第4位を四捨五入します。また、自分ファイターが不戦勝や不戦敗を得ていた場合、その対戦についてはマッチ勝率の合計には含めず相手ファイターの人数にも含めません。

この「相手のマッチ勝率の平均(Opp%)」が高いファイターがより上位となります。

ブシロードTCG応用フロアルールver.1.2.2より引用
隼人

先ほどの例に当てはめてみましょう。

オポについて
(タップで拡大)

ブシロードTCG応用フロアルールに従って「相手ファイターのマッチ勝率」を計算し、足して人数で割って「相手のマッチ勝率の平均(Opp%)」を算出しました。

比較のために、先ほど私がRAGEの規約から想像した「全試合終了時点での対戦相手の勝率」も残しています。

隼人

大きな差があります。

Gさんが1回戦で対戦して勝利した相手であるAさんは、2回戦も負けてしまってリタイアしました。0勝2敗でAさんの勝率は0%です。

しかし、ブシロードTCG応用フロアルールには「この数値が0.330未満の場合は0.330として扱います。」というルールがあるので、Gさんの「相手のマッチ勝率の平均(Opp%)」を計算する時にはAさんの「マッチ勝率」は0.330として扱っています。

Shadowverse ES地方大会や幕張メッセで行われるオフラインのRAGEなど、シャドナビアプリを使う大会では、大会参加中に順位表を表示することができます。

1回戦で勝利したという結果が反映された状態で順位表を見た時に自分のOpp%が0.33と表示されるのをご存じでしょうか。

隼人

おそらく、あの0.33の正体はこのルールです。

つまり、今まではこちらのルールに近い形で「オポ」を計算していたのです。

よって、私は、今まで「この数値が0.330未満の場合は0.330として扱います。」ありで計算していたんだから、規約からは読み取れないけど、RAGE Shadowverse 2023 Autumn予選大会Day2でも「この数値が0.330未満の場合は0.330として扱います。」ありで計算してるんじゃないかなという風に考えています。

隼人選手がジャッジになるまで!

「オポ」って必要?

さて、ここまで「オポ」が具体的にどのようなものなのかを説明してきました。

では、なぜ「オポ」によって順位が決定されるのでしょうか。

改めてRAGE Shadowverse 2023 Autumn 大会規約を見てみましょう。

隼人

7.1(7)にこのように記載されています。

Day2で勝利した試合の数が同じ参加者間の順位は、Day2に対戦した相手の平均試合勝率が高い参加者を上位とします。対戦相手の平均試合勝率も同じ場合、Day2の自分のバトル勝率が高い参加者を上位とします。自分のバトル勝率も同じ場合、Day2に対戦した相手の平均バトル勝率が高い参加者を上位とします。これらの3つの要素が全て同じ場合、くじ引きによって順位を決定します。

RAGE Shadowverse 2023 Autumn 大会規約より引用
隼人

整理すると、上から順に参照されるということです。

①自分のBo3単位での戦績
②「オポ」
③自分のBo1単位での戦績
④「オポ」のBo1バージョン
⑤くじ引き

①については当然でしょう。

全6回戦中6回勝利したプレイヤーは5回勝利したプレイヤーより順位が高いです。

では、全6回戦中5回勝利したプレイヤーが複数いた時、どちらの順位が上かとなった時に、②の「オポ」が登場します。

もしかしたら、③のBo1単位での戦績の方が重要であるべきだと考える方がいらっしゃるかもしれません。

確かに、Bo3で同じだけ勝利していたとしても、2勝1敗を積み重ねるプレイヤーよりも2勝0敗を積み重ねているプレイヤーが順位が上というのは納得感があるでしょう。

実際に②の「オポ」より低い優先度の③とはいえ、採用されている考え方です。

しかし、それよりも②の「オポ」が優先されるべきだ(なので規約がそうなっている)ということを私は主張したいです。

隼人

賞金1千万円を争うShadowverseの大会で競っているのは当然、Shadowverseの腕前であるはずです。

まとめ

以上が、「オポ」とはどういうものか、「オポ」の必要性に関して隼人選手の解説でした。

隼人選手のRAGE体験記!

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