RSPT(RAGE SHADOWVERSE PRO TOUR)では、23-24シーズンになるにあたって前年度からルールの変更が行われました。
この記事はルールの変更点をまとめる他、その中での「配点変更」に焦点を絞り、「前年度にこの配点だったらどう変わっていたか?」について軽く考察する記事です。
<二択の天才職人>さに

名古屋OJA ベビースター所属のeスポーツ選手。
プロのゲームは、Shadowverse(シャドウバース)。
理系大学院卒の地頭の良さをShadowverseでも発揮。
2Picker最強といっても過言ではない。
RSPT 23-24シーズンの新ルールまとめ
執筆するにあたって、(このアイデアに関しては多方で要望を見ましたが)同じ趣旨のことを既に行ってくれているRSPTファンの方がいたことをお伝えしておきます。
計算は手元のデータベースから行いましたが、検算などには使わせていただきました。感謝。
ルール変更についての概要
RAGE公式からルール変更の概要が説明されています。

こちらでも改めて説明します。
大枠としては下記項目になります。
★シーズン中のバランス調整
- 獲得ポイントの調整
- 本戦トーナメントの形の変更
★PTCS(チャンピオンシップ)周りの調整
- シーズン2位~4位のチームによるPLAYOFFの新設
- PTCSのルール細部変更
★その他
- ベストバウトのインセンティブ新設



一つ一つ説明します。
獲得ポイントの調整
予選での1勝あたりのポイントが1ptから2ptになり、本戦進出のボーダーに届いているかどうかの重要性が相対的に下がりました。
また、本戦での獲得ptが下記のように減りました。
順位 | ローテ(旧) | ローテ(新) | 2Pick(旧) | 2Pick(新) |
---|---|---|---|---|
1位 | 20 | 12 | 12 | 10 |
2位 | 15 | 10 | 9 | 8 |
3位 | 12 | 8 | 6 | 6 |
4位 | 9 | 6 | 3 | 3 |
5位タイ | 6 | 3 | – | – |
獲得ポイント自体が減ったほか、順位間でのポイント差も減っています。
本戦のトーナメントの形の変更



上がローテーション、下が2Pickです。
ローテーション


2Pick


言葉だと説明しづらいですが、総試合数が増えてダブルエリミネーションに近づいた形になり、ローテ・2Pickともに下位選手が勝ち抜いてから1敗しても敗者復活戦にいくことができる形になりました。
ローテでは同じブロックの選手が3人とも固まって配置されるようになりました。
(同チームの選手がマッチングした時の処置の都合がありそうです。少々複雑ですがルールブック内に記載されているので興味のある方は一読を)
2Pickでは1位と2位の差が大きくなりました。



上がローテーション、下が2Pickです。
ローテーション


2Pick


シーズン2位~4位のチームによるPLAYOFFの新設
前年度は1位と2位のチームにしかPTCSへ進むチャンスがありませんでしたが、それ以前にもあったように4位までのチームにチャンスが与えられるようになりました。
なお上位チームの試合内でのアドバンテージはありません。
PTCSのルール細部変更
PTCS登録3選手のみだったところ、チームの全選手が出場可能になりました。
前半の当たり方(選手・デッキ)が事前公開されないようになりました。
ベストバウトのインセンティブ新設
毎シーズン、本戦でベストバウトが選出されるようになりました。
選出された選手にはインセンティブが与えられます。


新基準で計算したものの前期との比較
さて、上記のルール変更の中で「獲得ポイントの調整」だけは前年度の試合結果から再計算することができます。
既に冒頭の先駆者の方々も計算している通り、これを用いて新ルールにおいての個人戦績・チーム戦績を計算してみました。
チーム戦績



先に分かりやすい方から。


既にご存じの方も多いと思いますが、新ルールでも前年度のチーム順位は変わりません。
ルール内での順位はローテでは変化がないもののSHG・レバンガ・よしもとの2Pick順位が入れ替わっています。
全体としては変わらないくらいの変更範囲で勝率に対しての振れ幅を小さくするような調整を行ったのだと思います。
その中でチームによって上がり幅には差があります。
本戦優勝・準優勝で大きく稼いだチームほど上がり幅が小さい傾向があります。
ちなみに新ルールでは2~4位のチーム、GxG・AXIZ・デトネでPLAYOFFが行われることになります。
全体の総獲得ポイントは増えています。この後の個人戦績を見る際にも留意が必要です。
個人戦績
下記の記事で行った計算に新ルールでの項目を増やしたものです。





獲得pt順の比較は以下の通り。


2Pickの比重が全体的に高くなります。
ここの上げ幅がかなり大きく一番のポイントかもしれません。
アベレージの高かったRob・cross7224が2トップとなります。
同ルール内では当然ながら出場回数の多い選手が上に伸びやすい傾向があります。出場回数を考慮したものについては後述。



獲得ptを出場回数で割った、ポイント獲得パフォーマンスについては以下の通り。


こちらでも2Pickはやや上昇傾向。
上位6選手はMURAと拓海が入れ替わるものの顔ぶれは変わらず。
優勝・準優勝の占める割合が大きかった選手の順位は落ちてしまいますが、ローテの大きく下がっている選手については2Pick選手がランキングにおいて下から上に来ているものが多く、ルール内では大きく順位は変わらなさそうです。


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まとめ
ルール変更について改めて振り返り、各プレイヤー・チームのスコアを計算し直してみました。
「こういう視点はどう?」という考え方で分析していただけるとなお嬉しいです。
個人的には2Pickの比重が上がっていることを再確認し、モチベーションとなりました。一試合一試合を落とさないことをより心がけていこうと思います。